2026/06/29
「税金の未払いがあります」「保険料をお支払いください」─そのメッセージ、本物ですか?
スマホに届く"公的機関からのお知らせ"に要注意
「国民健康保険料のお支払いが確認できていません。至急こちらからお手続きください」
「住民税の未納があります。本日中にお支払いいただかないとペナルティが発生します」
「国民年金の未払い分があります。下記リンクよりお手続きをお願いします」
こんなメッセージが突然スマホに届いたら、あなたはどうしますか?
「えっ、払い忘れてた?」「罰則って何だろう、怖い...」と、思わず焦ってしまいますよね。その「焦り」こそが、詐欺師の狙いです。
税金や社会保険料の支払いは、誰もが多少なりとも不安を感じやすい事柄です。「もしかして本当に未払いがあったら困る」という心理を利用して、冷静な判断をする間もなくリンクをタップさせようとするのがこの種の詐欺の典型的な手口です。
特に、役所や公的機関からのお知らせは「対応しなければ」という義務感がはたらくため、「とりあえず確認だけ」のつもりで開いてしまいやすいのです。
フィッシング詐欺対策協議会は、こういった公的機関のなりすましに関し、今年の春(2026年4月〜5月)から立て続けに緊急情報を発表しています。
- 4月13日:国民健康保険料の支払いを装った詐欺
- 5月11日:住民税の支払いを装った詐欺
- 5月18日:国民年金の支払いを装った詐欺
ひと月あまりの間にこれだけの注意喚起が出ていますが、これは偶然ではなく、詐欺師たちが「払わないと困る」という心理を組織的に狙っていることを示しています。
そして、国民健康保険料と住民税の本物の通知書が届く6〜7月こそ、この詐欺が通用しやすい時期になります。
手口の例
この種の詐欺は「フィッシング詐欺」と呼ばれています。メールやSMSで偽のリンクを送りつけ、そこをクリックさせた先の偽サイトで、個人情報やクレジットカード番号などを入力させる手口です。
流れを整理するとこうなります。
①不審なメール・SMSが届く
「未払いがあります」「アカウントが停止されます」など、焦らせる内容が多い
② URLをクリックさせる
本物そっくりのサイトに飛ばされる。見た目は公式サイトとほとんど変わらないことも
③ 個人情報やカード番号を入力させる
「支払い手続きのため」などとして、クレジットカード番号、銀行口座番号、パスワードなどを入力させる
④ 情報が盗まれる
入力した情報は犯罪者の手に渡り、不正利用や不正送金に使われる
「文章が変だから気づける」は、もう通用しない
以前は詐欺メールの多くに不自然な日本語が含まれていたため、「文章がおかしいから詐欺だ」と気づくことができました。しかし最近は状況が変わってきています。
フィッシング対策協議会が今年6月に公開した最新のガイドラインでは、「生成AIを活用した自然な文章表現による攻撃が巧妙化しており、従来の"不自然な日本語"で見分ける方法が通用しなくなってきている」と明記されています。
つまり、「文章がきれいだから安心」とは言えない時代になったということです。見た目や文章だけで本物か偽物かを判断するのは、プロでも難しくなっています。
フィッシング被害を防ぐための3つのポイント
フィッシング対策協議会の2026年版ガイドラインでは、「フィッシング被害を防ぐ3つの基本行動」として、以下の3つのポイントを示しています。
技術で守る──まずは"守ってくれる仕組み"をオンにする
スマホやパソコンには、詐欺サイトや不審なメールをブロックしてくれる機能が最初から入っていたり、後から設定できるものがあります。「難しそう」と思わず、まずは自分が使えるものを一つ確認するところから始めてみましょう。
迷惑メール・SMSフィルター
詐欺メールをそもそも受け取らないようにするのが、いちばんシンプルな対策です。
不審なメールが届いたと感じた場合は、フィルター設定を見直してみましょう。
携帯キャリアのメールをお使いの方は、各社の迷惑メールフィルター設定がオンになっているか確認してみてください。
プロバイダのメールアドレスをお使いの方も、フィルタリング機能を設定できる、あるいは標準でフィルタリング機能を提供している場合がありますので、一度見直してみましょう。
タイガースネットのメールアドレス(@tigers-net.com・@t-bb.jp)をお使いの方は、迷惑メールフィルタリング・ウイルスメールブロック機能が標準でオンとなっています。
ウイルス対策ソフト・セキュリティアプリ
迷惑メールをすり抜けてきた詐欺リンクを踏んでしまっても、「このサイトは危険です」と自動で警告を出してくれるのがセキュリティソフトです。いわば、最後の砦です。(※すべての詐欺サイトを判別できるわけではありません。)
代表的なものとして、総合的にデバイスを守る総合セキュリティソフトと、フィッシング・ネット詐欺に特化した詐欺対策専用ソフトの2種類があります。有料のものが多いですが、プロバイダや携帯キャリアが無料・割引で提供している場合もあるので、まず契約中のサービスを確認してみるのがおすすめです。
タイガースネットでは、以下の2つを無料オプションとしてご提供しています。

カスペルスキーは、そのセキュリティ性能の高さから、世界的評価機関による性能比較テストで数多くの優秀な成績を残しており、12年連続で年間賞を受賞しています。
世界各国で利用者の多い、安心してお使いいただけるサービスです。
基本的なウイルス対策・マルウェア対策・ハッキング対策などの機能に加え、銀行や決済システム、オンラインストアなどオンラインで行われる金融取引について、保護されたブラウザを立ち上げることで情報盗難を防ぐ「ネット決済保護」機能を搭載しています。

みやブルは、一般的なセキュリティソフトでは検知が困難な、ネット詐欺による金銭被害、個人情報盗難被害の対策に特化したネット詐欺専用セキュリティソフトです。近年流行しているフィッシング詐欺をはじめ、ネットショッピング詐欺やワンクリック詐欺、偽セキュリティ広告などあらゆる詐欺サイトを検知し、アクセスを未然にブロックできるようお知らせを画面に表示します。
みやブルは、国内でアプリを作っており、日本語の詐欺サイトの検知率が高いことが特徴となっています。AI機能、公的機関から日々提供される情報、ふるまい検知等の独自のトリプルエンジンを搭載していることで、未知の詐欺サイトも検知することが可能です。
多要素認証(二段階認証)
万が一パスワードが盗まれても、ログイン時にスマホへの確認コード送信など「もう一段階の本人確認」があることで、不正アクセスを防ぎやすくなります。銀行アプリやメールアカウントなど、大切なサービスで設定されているか確認してみましょう。
入力に注意──リンクをタップする前にひと呼吸
詐欺の被害は「リンクをタップしてしまった」ことから始まります。メッセージが届いたとき、焦ってすぐにタップするのではなく、まず立ち止まることが大切です。
本物のサイトへのアクセス方法(推奨)
- ブラウザのお気に入り(ブックマーク)から開く
- アプリをインストールしている場合はアプリから開く
- 公式サイトのURLを自分でブラウザに入力する
メッセージに書かれたURLをそのままタップするのは、できるだけ避けましょう。「念のため確認だけ」のつもりでも、偽サイトに誘導されてしまうことがあります。
迷ったら相談──ひとりで抱え込まない
「これ、詐欺かな?どうしよう...」と思ったとき、ひとりで判断しようとしないことも大切な対策のひとつです。
家族や友人に「こんなメッセージが来たんだけど、どう思う?」と聞くだけで助かることもあります。一人暮らしの方や、周りに聞ける人がいない場合は、下記の相談窓口を利用してみてください。
もしも詐欺に遭ってしまったら
万が一、偽サイトで情報を入力してしまった場合は、すぐに次の対応をしてください。
クレジットカード番号を入力した場合
すぐにカード会社に連絡してカードを止めてもらう。
ネットバンキングのID・パスワードを入力した場合
ネットバンキングのパスワードを変更する。 パスワードの変更方法が分からない場合は、すぐに銀行のサポート窓口に連絡し、不正送金が疑われる場合は口座の利用停止も依頼する。
対応が早ければ早いほど被害を小さくできます。どう対応すればいいか分からない場合は、以下の電話相談窓口を利用することも可能です。
- 警察相談専用電話 #9110(全国共通)
- 消費者ホットライン 188(いやや)全国共通
まとめ
税金や保険料の支払いを装った詐欺メール・SMSは、2026年の春だけでも複数の手口が確認されています。「ちゃんとした文章だから本物」という判断はもう通用しません。
大切なポイントは、以下の3つです。
- 守ってくれる仕組み(フィルター・セキュリティ機能)をオンにしておく
- メッセージのリンクからは絶対に情報を入力しない
- 少しでも怪しいと思ったら、誰かに相談する
焦らせる、急かす、ペナルティをちらつかせる、そういったメッセージが届いたときは、「これは詐欺かも」と疑うようにしましょう。
引用:
国民健康保険料の支払い依頼をよそおうフィッシング (2026/04/13)(フィッシング詐欺対策協議会)
住民税の納付依頼をよそおうフィッシング (2026/05/11)(フィッシング詐欺対策協議会)

